テンプレートについて

CT撮影用テンプレートBioNaでの解析やサージカルガイド作製をご依頼の際には、弊社独自のテンプレートを用いたCT撮影が必要です。
CT撮影用テンプレートは、

a) 和田精密歯研(株)に依頼する
b) 院内で作製する、もしくは歯科技工所等に外注する

の二通りの方法があります。

a) 和田精密歯研(株)に依頼する

CT撮影用テンプレートは2種類ご用意しております。

[ 人工歯+チタンチューブタイプ ]
[ スキャニングレジン人工歯タイプ ]

詳しくはお近くの和田精密歯研(株)各営業所までお問い合わせください。

1. 床を設計する

模型 着脱を容易にするため歯冠等のアンダーカットをブロックアウトします。
シミュレーション時に歯の位置を確認するため、補綴歯の造影剤(バリウム)入り人工歯を排列し、必要に応じてアクセスホールを開けます。
または、レジン歯中央にチタン製チューブやガッタパーチャを装着してください。

床部にはバリウムを混合していないアクリルレジンを使用してください。
床はがたつきの無いようにしてください。

人工歯に関して

・スキャニングレジン製
・石膏製
・アクリルレジンにバリウムを15重量%混合して作成した人工歯
(例えばパターンレジン8.5gに乳鉢等ですりおろしたバリウム1.5gを良く混ぜて使用する)

等を使用してください。

2. 対合歯の咬み込み用圧痕をつける

対合歯と噛み合うバイトブロックを即重で作成してください。

圧痕をつける

3. 半球状マーカーおよびプレート状マーカーを取り付ける

金属修復物によるアーティファクトの侵入防止と除去のため、またCT顎骨像と石膏模型像を合成する際の位置合わせのために、2種類のマーカーを取り付ける必要があります。

①床に取り付ける、位置合わせ用半球状マーカー
②床前方に取り付ける、レーザー基準線用プレート状マーカー

マーカーは和田精密歯研㈱または大阪工場インプラント技工センターで作成できます。院内でテンプレートを作成される場合はマーカーセットを販売しています。お問いわせください。

① 位置合わせ用半球状マーカー(医療用ヘリカルCT・歯科用コーンビームCT共通)
マーカー01

半球状マーカーを頬側と舌側に6個以上、多数取り付けてください( 表面は即重や瞬間接着剤などでコーティングしないでください)。
上図は片側の撮影範囲しかないCT撮影機によるものの取り付け例です。撮影範囲が広い場合は前後左右広い範囲に半球状マーカーを取り付けてください。それだけ位置合わせ精度が高まります。
金属修復物付近に取り付けるとアーティファクトで写らない可能性があります。金属修復物付近を避け、できるだけ分散させてください。

②レーザー基準線用マーカー

a) 医療用ヘリカルCT b) 歯科用コーンビームCT
ヘリカルCT CBCT

医療用ヘリカルCTで撮影する場合は、プレート状マーカーを床の前方に取り付けます。さらに、マーカー正面および側面にレーザー用基準線を記入します。(下記 4 参照)

歯科用コーンビームCTは撮影範囲が狭いため、大きなプレート状マーカーを使用できません。位置決め用レーザーの指標となるように、図のようなレーザー用基準棒を取り付けてください。棒の方向は、下記4.プレート状マーカーの正中線および側面基準線に従ってください。材質は金属以外のものを使用してください。

4. プレート状マーカーにレーザー用基準線を記入する(ヘリカルCT)

アーティファクト発生

口腔内に金属修復物があると、アーティファクト(画像障害)がCT像に発生します。アーティファクトは金属を発生源にしてX線入射面上に発生するという特性があります。

図のように、金属とインプラント埋入部位がX線入射面上に並んでいると、アーティファクトがかかりやすくなります。

そのため、患者さまの頭部を傾けるなどし、インプラント埋入骨部位および周辺歯列にできるだけかからないようにする必要があります。

CT撮影時には、マーカーに記載された線を基準として撮影位置を決めることになりますので、下記手順に沿ってレーザー用基準線を記入してください。

< レーザー用基準線の記入手順 >レーザー用基準線の記入手順

①マーカーの正面に患者さまの正中線を記入する
②下記例を参考に、マーカー側面に側面基準線を記入する
顎の状態を想定してテンプレートを傾け、X線入射方向と側面基準線とが垂直になるようにしてください。

例1)前歯部に金属修復物が入っていて、臼歯部にインプラント埋入予定の場合

顎を引く 顎を引く

上顎に埋入⇒顎を引く

下顎に埋入⇒顎を上げる

例2)臼歯部に金属修復物が入っていて、前歯部にインプラント埋入予定の場合

顎を引く 顎を引く

上顎に埋入⇒顎を上げる

下顎に埋入⇒顎を引く

例3)金属修復物が入っていない場合

金属修復物が入っていない

アーティファクトは発生せず、患者さまの頭部を傾ける必要はありませんので、マーカー側面にはまっすぐな線を記入してください。